出逢い

保護犬として出されていた時の写真

 

「犬は絶対に飼わない。」

 

娘たちがどれほど

「パパ!犬を飼いたい!」

と申し出ても

僕は絶対に認めませんでした。

 

娘たちが犬を飼いたいという想い

命の尊さと天秤にかけるまでもなく軽すぎるものでしたから。

だから

どれほど娘たちに懇願されても

私は絶対に首を縦には振りませんでした。

 

 

そんなある日。

僕は仕事で出動した現場で

一匹のフレンチブルくんと出逢う。

 

チャッチャッチャッチャッチャッチャ!

 

爪の音を立てながら

私のところへ来て

ちょこんとお座りをするフレンチブルくん。

 

僕がかがんで挨拶をすると

『へっへっへっへ。』

と愛くるしい顔で無邪気に戯れてくる。

その愛らしさに

僕は首の後ろがニーニーニーニーしたんです笑

 

この瞬間

僕は恋をした。

 

 

仕事を終えて帰宅する。

一日中ずーっとぽかーんとする。

 

晩ごはんの場で奥さんと娘たちにカミングアウトする。

 

「どうやらパパ、恋をしました。」

 

訳の分からない突然のカミングアウトにキョトンとする家族

 

現場で

フレンチブルドッグに恋をしたことを

きちんと説明すると笑いが生まれました笑

 

 

その日から犬を飼うことの勉強とペットショップ巡りが始まりました。

 

ペットショップを巡っては「商品」として売られている犬たちを見て回る。

 

確かに可愛い子たちばかり。

でも

なぜかニーニーすることはありませんでした、、、。

 

 

犬を飼うことの勉強を進めていく中で

自然とペットショップで犬を買うことの是非を考えるようになりました。

 

 

僕の中で一つの気持ちが固まってきました。

 

奥さんに相談すると彼女も同じ気持ちでいてくれて、安心したのを覚えています。

ペットショップで犬を「買う」のではなく

保護された犬と一緒に「暮らす」こと。

 

その日から僕たち夫婦は保健所や動物病院を回りながらご縁が繋がるのを待ちました。

 

そしてある日

奥さんがInstagramで本間獣医科医院の保護犬情報を見つけて教えてくれました。

 

2020年6月19日

本間獣医科医院のpostに可愛い子犬と可愛い子猫の里親募集が上がっていました。

 

そこには

一匹だけ雑巾のような暗いマルポメがいました。

 

不思議とその子に惹かれて

「明日、観に行ってみよう!」

どちらともなく言い出したのを覚えています(^-^)

 

 

翌6月20日朝

開院前に行きましたが僕たちよりも先に並ぶ人たちの多さに驚きました。

 

逢えるかな、、、。

 

そんな不安がよぎりました。

開院と同時にブラインドが上げられ可愛い保護犬や可愛い保護猫が元気よくはしゃいでる。

でも

雑巾のようなマルポメは弱々しく、そして汚く見えた、、、。

 

先に並んでいた人たちのお目当ては

可愛くて元気な子たちでした。

 

「この子可愛いね!あの子も元気でいい!」

なんて弾む声を聞きながら僕と奥さんは自分たちの順番を待つ。

 

 

そしていよいよ巡ってきた僕たちの番

ドキドキしながら、マルポメを指差して

 

「あの子を抱かせてください。」と獣医師さんへお願いする。

 

手のひらほどの小さな印象を受けたマルポメを抱かせてもらう。

 

 

首の裏がニーニーニーニーした!

 

次いで奥さんが抱っこする。

その瞬間にどちらともなく言った。

「この子と暮らそう!」

その声に周りの人たちが振り返る!

 

すぐに手続きを進めてもらう。

でも、勉強はしてきたけれど我が家には一緒に暮らすためのものが全くありませんでした、、、。

 

そこで獣医師さんたちに相談して必要なものを全て買い揃えました!

 

フードにケージにキャリーケースにトイレにおしっこシーツに、、、、

この子と暮らしていく中で必要になるもの全てを

その場で買い揃えました!

 

その額ざっと15万円!笑

 

車で家へ向かいながら奥さんとこの子の名前を考えた。

名前を考えるだけで幸せな気分になる!

 

何個か候補を挙げたけれど最終的には僕の案に決まった!

 

マルポメの「ぽ」を拝借して

「ぽたろう」と名付ける。

 

 

僕がずっと言い続けてきた

「犬は絶対に飼わない。」という言葉は

ある意味今も貫いている。

 

僕は今も「犬は飼わないし、買わない。」

 

ぽたろうは僕たちにとって家族だから

「飼う」のではなく、「暮らす」のである。

ここから新しい家族との新しい暮らしが始まりました(^-^)v

                        パパより愛を込めて