災害現場で活動する僕たちにとって
「安全管理」とは最も大切な概念です。
ということで
今回は消防の世界における「安全管理」について
僕の持つ持論を独断と偏見でお話したいと思います!
僕が思う安全管理とは
まだたった20数年の消防歴の僕ですが
僕が唱える消防の世界における安全管理とは
危険の「認知」であり
活動隊員全員での危険の「共有」です。
火災現場を始め
僕たち消防吏員が出動する先は
災害の現場であり危険な現場です。
一般の方ではどうすることもできない
危機迫る現場にあえて赴くのですから
現場には「危険」しかないのです。
そんな状況にあって
現代の消防の世界は訓練でも災害現場でも
「安全第一主義」を掲げて
危険な行為を全て排除する流れにあります。
つまりは
「危険なことはやらない。やらせない」
それが
「安全管理」
とされてしまっているのです。
これが招く恐ろしさは
訓練に際して
何かにつけて「危険」を合言葉に
「やらせない文化」が生まれてしまいました。
極端なことを言うと
その訓練は危険だから安全管理上やってはダメだ!
先で述べたように
災害現場は危険しかないのです。
それなのに
常の訓練の段階から「危険」なことはやらせないのですから
市民の方から求められる「救ってほしい・助けてほしい」
という望みに応えることができないのです。
もっと恐ろしいのは
危険を知らずに育つ隊員に
本番で初めて「危険」を味合わせることになるのですから
事故による怪我や殉職が続くわけです、、、。
僕には大切にしている信条があります。
それは
朝隊員が笑顔で出勤してきて
翌朝
隊員がそれぞれ大切にしている人の元へ
笑顔で帰っていく。
それを守り続けるには
日常の訓練を通じて「危険」を認知する経験を積み
それを隊員相互に共有できる強いチームが必要なんです。
しかしながら
そううまくはいかないのが
上位下達の消防組織なんですよね。
消防の世界における安全管理の誕生
「安全管理」が謳われるようになった現代の消防世界
とはいえ
昔は「安全管理」という概念すらありませんでした。
どちらかと言えば
自己犠牲の精神が根付いており
「たとえ火の中、水の中、我が身を顧みず飛び込め」
と使命感が強く働いた時代でした。
そんな時代の中で昭和40年には
訓練中の自衛隊員が頭部を轢かれて亡くなった事故が発生し
消防の世界にも「安全管理」の概念が生まれました。
昭和50年には最高裁判決により
「安全配慮義務」というものが生まれ
その矢先の昭和52年に
宮崎市の消防本部で訓練中の隊員が亡くなりました。
このような流れの中で
昭和59年に「警防活動時等における安全管理マニュアル」
というものが国から発出され
その後長く
災害現場や訓練時における事故等の検証を踏まえて
更新されてきました。
国から示されるこのマニュアルを元に
各消防機関が少しだけ色を加えるなどして
独自のマニュアルを作成するわけです。
このマニュアルの問題点は
ページが多過ぎることです。
とはいえ120〜130ページほどなんですけどね(^-^;
けれど
恥ずかしながら消防吏員は活字に弱いんです。
絵や写真がないとまず読まない。
ページ数が多いと開くことすらしない。
一昔前なら
自分!
文字は読めませんが
筋トレは大好きです!
というくらい
脳みそまで筋肉で作られてる隊員が多くいましたが
今日にあっては文字も読めない
筋トレもやらない隊員が多いように思えます笑
なので
難しく書き綴った
大層なマニュアルがあっても役には立たないわけです。
とは言え
マニュアルは読めなくても
実際の災害現場は大丈夫だよね?
だって、災害のプロですよね?
と言った声が聞こえてきそうですが
その点も眉唾ものだと思っています。
消防組織の体制変化
昭和の時代や平成の後半までは
当たり前に存在してきた「パワーハラスメント」
階級や年数で縛られる
上位下達の厳しい消防の世界においては
下位に身を置くものは
先輩や上司へ進言することなど皆無の時代でした(^-^;
つまりは
先輩や上司の言葉は
「神の言葉」だと真剣に言い伝えられていたので
「危険」な事を先輩や上司が面白がって
訓練や実災害の場で下位の者に強制的にやらせていたのです。
これをやらされることで
下位にある者は自然と危険を認識し
それを回避する能力を身につけていたわけです。
本当にふざけた時代です。
しかしながら
そんなふざけた時代も終わりを告げるようになり
今では上位の者が下位の者へ
強制的に何かを強いる行為が咎められるようになり
パワーハラスメントが消防の世界でも
禁忌な行為として認識されるようになったわけです!
何かあれば下位の者が上位の者に対して
「それは適正な指導なのか」
と進言することが可能になったんですよね。
権利主張が認められなかった下位の者が
自由に権利主張を行えるようになったのです。
流れ着いた結果の安全管理の実態
自己犠牲の精神と使命感から
命を賭してでも市民の命や財産を守ろうとした時代
行き過ぎた組織体制が
隊員の負傷や殉職を招き
誕生した安全管理の概念
安全配慮義務が当たり前となる中でも
長く続いたパワハラ体質
奇しくも
パワハラ体質の中で
身を守るために育まれた危険予知能力
パワハラが撲滅されるようになり
優しい組織へと変化する中で
極端に捉えられるようになった「安全管理」
ざっくりと表現すると
以上のような流れでしょうか。
※冒頭で述べた通りあくまでも僕の偏見ですが。
安全管理とは何か
ここまで僕の独断と偏見で綴ってきた
「安全管理」
安全管理とは
「危険を排除することで確保するもの」なのか
はたまた
僕の描く「危険の認知であり隊員全体での共有」なのか
令和6年10月24日
僕は福井県福井市にある
福井県国際交流会館へ行ってまいりました!
目的は
消防大学校主催の特別講習会で
「安全管理」を学ぶためです!!!
人生これ日々勉強です!
片道たったの210km♪
アトレーくんと一緒に行ってきました!
そして
学んだ結果は
僕の描く安全管理は間違いではありませんでした!
講習会で学んだ知識は
僕の仲間たちへ還元する!
誰一人怪我させることなく
そして
人生で一度あるかないかの119番通報にかけてくれる
市民の方々の思いに応えられるように!
これからも
教養と訓練を積んで強いチームを作り上げて行きます!
追伸
僕がもう何年も行きたいと進言している
消防大学校警防科への入校希望。
行かせてもらえないので
今回は自分から行ったわけですが
「安全管理」の部分だけでも
本当に勉強になりました!
2か月間入校する警防科では
安全管理はほんの一部の知識であって
他にも多くの学びが存在してて
それを組織に生かすことができる学びの場です。
僕もいつか入校させてもらえたらいいのにな。
参考までに
消防大学校にはいろんな課程がありますが
単年度で入校できるのは1800人。
全国の消防吏員の割合で示すと
単年度でたったの0.9%しか入校できない狭き門!!!
僕の職場で言えば
これまで一体誰が入校してきたかもわからないくらい
針の穴程度の穴ぁーーー!!!!!笑
誰か僕を入校させてくださーい!
もしくは
学校で学ぶ資料をくださーい!!
それがあれば
仲間たちへ絶対に還元しまーす(^-^)v
消防世界を引率する
東京消防庁さんの安全憲章!
素晴らしい♪
てなわけで
僕の安全管理のお話はこれにて終了!
そうだ!◯◯へ行こう!!
実りある講習会を終えて時計を見ると16時00分
石川県珠洲市までは
たったの220km♪
そうだ!
珠洲へ行こう!!!!
てなわけで
消防のことを学んだ後とは
災害ボランティア愛知人のメンバーが待つ
珠洲市で災害支援ボランティア!
今回はたったの1日の活動ですが
時間の限り支援させていただきます!!!!
13回目の珠洲市災害支援ボランティア活動!復興はいつ始まるのかな
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