高島市消防本部の消防長など5人がハラスメント行為で懲戒処分

人を救う仕事

5月23日付けで滋賀県高島市消防本部の職員が減給や停職などの懲戒処分を受けたそうですね。

職場のミーティングで管理職からこの事件の概要が説明されたことで、僕たちの耳にも入ってきました。

処分を受けた職員は、消防組織のナンバー1である消防長を含む5人の管理的立場の幹部職員。

正直驚きました。

 

2022年(令和4年)4月から全ての企業において、パワーハラスメント防止の措置が義務化されました。

これにより、僕の職場でもパワーハラスメントやセクシャルハラスメントについてのアンケートや研修が実施されるようになったわけですが。

高島市さんのように実態調査を行い、その結果を基に加害者側の処分を行うようなことは僕の職場では行っていないので。

本当に凄いことだと思っています。

 

僕がこの事件の中で特に驚いたのが

・ナンバー1である消防長までも処分されたこと

・パワハラなどの事実について、過去十数年前まで遡って調査されたこと

の2点です。

 

政令指定都市の消防局など大きな消防機関を除いて

大半の消防機関は昇任試験制度がなく「年功序列」で昇任昇格していきます。

つまり、年齢や年数に応じて否が応でも階級や役職が上がっていくのです。

暴言・暴力を行使する卑劣な職員であっても、年相応に階級が上がっていく環境。

大抵、暴言暴力を強いる職員は、賢くしたたかであるので上司からの評価も良く、時期が来れば必ず管理的立場へと上り詰めていくもの。

そんな「怖い」存在が管理的立場に立っている中で、立場の「弱い」者が声を上げられるわけもない。

 

高島市さんはこの「怖い」存在が消防長であり、その周りの幹部職員も「怖い」存在が集まっていたのですから。

今回の処分は本当に凄いことだと思います。

また、減給や停職といった懲戒処分にとどまらず

「分限処分」にまで踏み切っている点が凄い。

良くも悪くも公務員には最強の身分保障というものが与えられています。

一度手にした身分は強く保障されているので、ちょっとやそっとのことでは、その身分を下げられたり解かれたりすることはないのです。

それでも、高崎市の消防長は「降格」させられたのですから、高崎市さんのパワハラやセクハラ防止への強い姿勢と誠実さが見て取れます。

 

高崎市さんでの実態調査では、十数年前のパワハラ事件などについても調査が入ったそうです。

僕の職場では「過去半年間」や「去年1年間」といった制限付きのアンケート調査です。

つまり、過ぎ去った過去は「物を言えない。言わせない。」といったところです。

最近のことであっても

一年前のことであっても

十数年前のことであっても

被害者からの目線で見れば

それら全ては「過去」ではなく、今も続いている「現在」の出来事であるということを忘れてはいけません。

加害者側は「忘れ去った過去の行為」なのかも知れません。

加害者側にとっては「罪を問われないラッキーな時代の出来事」なのかも知れません。

 

今回の高島市さんの処分は、被害者側に立った良い判断と良い処分だったのではないかと、個人的に感心させられるとともに。

今を頑張り抜く未来ある消防士への希望の光となることでしょう。

 

追伸

ミーティングでこの高島市さんの事件を周知してくれた上司の言葉。

「まあうちの職場じゃパワハラもセクハラもありませんが、皆さんも気をつけて職務に当たりましょう!」

 

パワハラもセクハラも「ない」と公然と言ってのける上司の言葉に、職員はみんな凍りつく。

世代の違いは拭えませんね。

もはや伸び代しかないや笑

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