言葉の選び方は難しいけれど
それでも大切に選びたいものですね。
山口県美祢市での災害支援活動を終えて
6日振りで勤務に就いた昨日
今回の5連休はボランティア休暇を組み合わせたので
被災地で活動してきたことを証明するために
活動状況の分かる写真を見せながら所属長へ報告し、休暇をいただいたお礼を伝える。
所属長から言われた言葉は
「こちらの係の話では無いけれど、夏休み期間中のため、人が足りてない署があったらしいので、そういった時はボランティア休暇って取りやめてもらえるのかな?署長も心配していたから。」
ボランティア休暇の取得申請の際にも
同様の言葉を署長からいただいている僕は
今回も同じように答える。
災害支援ボランティアは、僕の趣味のことなので、勤務に支障がある場合は申請はしませんし、申請後も人員が不足するようならボランティア休暇は取りやめて、喜んで勤務に就くのでご安心ください。
ちなみに申請時に同じことを署長に言われて、同じように回答してあります。
災害支援ボランティアは、紛れもなく、僕自身の勝手な趣味である。
なので
ボランティアへ赴く際は、当然のことですが毎回やるべき仕事はきちんと整えて行きます。
僕の職場には幸いにも「ボランティア休暇制度」があります。
単年度に最大5日間のボランティア休暇が申請できる良い制度
僕がこのボランティア休暇制度を知ったのは昨年度。
それまでは自分の休日や年次休暇を利用して連休を確保して被災地へ向かっていました。
今回、署長や所属長から言われた言葉で僕が個人的に引っかかるのは
・違う係での人員不足
・夏休み期間中の人員不足
・ボランティア休暇を取りやめることの可否を問うこと
です。
災害支援のボランティアも大切にしていますが
僕はそれ以上に常の勤務を一番大切にしています。
自分の係側の人員が不足するような日は
当然ボランティア休暇も年次休暇も取ることはしません。
今回残念だったのは
・違う係側での人員不足を理由に、ボランティア休暇を取り下げる可否を聞かれたこと
僕の職場では7月からおよそ10月までの期間で厚生休暇を取得するよう通知が出されます。
ですので
この期間中は恋人との時間、家族との時間、個人の趣味の時間などといった理由で職員が休みを取ります。
結果として
必要な人員ギリギリでの運用となり、そこに急遽病気休暇などが入ると人員が不足するのです。
僕のボランティア休暇は、完全な趣味の域です。
では、他の職員の夏休みはどうなんでしょうか。
全く関係のない係の人員不足を例に挙げて
ボランティア休暇を申請した僕だけを呼んで
その休暇を取りやめることができるかをみんなの前で聞くこと。
果たして夏休みで休むこととボランティアで休むことにどんな差があるのでしょうか。
人員不足を理由に休暇の取り止めを打診したり注意するのであれば
同じ日に休暇申請をしている職員全員に対して
等しく打診等しても良いのではないかと僕は思います。
かねてから僕は
消防吏員は災害支援ボランティアに向いている職業だと思っています。
残念ながら僕の職場では僕の仲間数人以外
災害支援ボランティアをやっている職員はいません。
緊急消防援助隊など派手で注目を浴びられて
手当もいただけることに関してはみんな喜んで参加表明をするけれど
災害支援ボランティアともなればやりたいと言う職員はほぼいない、、、。
また
ボランティア活動自体を毛嫌いする職場体質にも疑念を持つ
「ボランティアなんて偉そうに」
「偽善者が目立ちたいだけだろ」
「お前が被災地へ行っている間に岡崎で地震が遭ったらどうするんだ」
など
かつてはよく面と向かって言われて来たし
きっと今でも腹の中はそう思っている職員も少なくないと思う。
でもね
東日本大震災から始めたボランティア活動
未だに一度たりとも僕が被災地で活動している間に岡崎市が大規模な被害に遭ったことはありません。
目に見える圧力
目に見えない圧力
ただでさえ災害支援ボランティアへのハードルが高くなっている状況で
上司から直接ボランティア休暇の申請を取り消すよう打診されている僕の姿を見たら
そりゃ他の職員もますますボランティアから遠ざかりますよね(^_^;)
ボランティアをやるには時間もお金もかかる
身体もたくさん疲れる
活動の対価は被災された方々からの「感謝」の言葉だけ
お金がいただける訳ではない
それでいて職場から煙たがられるようならば
自分の評価や出世に悪影響となるならば
面倒なことならやらない方が良いに決まっているじゃん。
それが自然の摂理ですもん。
だからこそ
上に立つ人には「言葉」を選んで欲しい。
上に立つ者が発する言葉の重みを自覚して欲しい。
ボランティアへ向かう者が胸を張って被災地へ向かうことができるような言葉を選んで欲しい。
僕にはまだボランティア休暇が残っています。
でも
もうそれを使うと何を言われるかわかんない。
だから次は年次休暇を使うとしよう。
そうすれば目立つこともなく、年次休暇を取りやめるように打診されることもないのだから。
時間もお金も体力も僕は喜んで使わせていただきます。
活動に入らせていただいた被災者さんからいただく
「ありがとうございました」
の感謝の言葉ほど光栄なことはないのだから。
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