「災害時の備え」って一体何が必要なんでしょうか。
僕は決して災害のプロではありませんが
消防吏員として
災害ボランティア愛知人三河支部長として
常から災害現場や被災地での支援活動をさせていただいている者の一人として
僕個人が思う「災害時の備え」の中でも
今回は「地震災害時における備え」について話させていただきます(^-^)
地震災害に対する備えって
みなさんはどうされていますか?
南海トラフ地震臨時情報って
マグニチュード7.1震度6弱の揺れを観測した宮崎県
令和6年8月8日に発生したこの地震によって
気象庁は南海トラフ地震の想定震源域で
大規模な地震が発生する可能性が普段と比べて高まった
として令和6年8月8日から8月15日夕方までの1週間
巨大地震への注意を呼びかける臨時情報「巨大地震注意」を出しました。
この「巨大地震注意」を呼びかける南海トラフ地震臨時情報。
多くの国民が
「近々地震が起こるのではないか」
と
地震の予知として受け止めた人は多いのでは無いでしょうか。
ただし気象庁は
マグニチュード7以上の地震が発生した後は
1週間以内にマグニチュード8以上の地震が発生する頻度は数百回に1回程度だとした上で
必ず巨大地震が発生することを伝えるものではないと付け加えています。
「あくまでも注意喚起ですよ」とする気象庁と
「地震が起こるんだ」と感じた国民との差。
生命や暮らしに関わることだからこそ
もっと分かりやすく伝えてもらいたいものですよね(^-^;
この南海トラフ地震臨時情報によって
国は防災対策推進地域に指定されている29の都府県、707の市町村に対して
今後1週間は地震への備えを改めて確認してほしいと呼びかけています。
行政の対応
これを受けた岡崎市も災害対策本部を設置し
8月8日22時には
市内20か所の自主避難所を開設し
安全性に不安のある住宅の住民や
土砂災害の危険性を有する地域の住民へ
迅速かつ柔軟な避難体制を展開してくれていました。
とはいえ
翌9日の17時前には
開設した20か所の自主避難所を
中央総合公園と岡崎市体育館の2か所へ縮小させています。
当初指定した自主避難所は
市内の小中学校が18か所
残り2か所が中央総合公園と岡崎市体育館
小中学校へ避難すると「体育館」で過ごすことになります。
熱中症警戒アラートが発表されているこの時期に
冷房の無い体育館では
いつ起こるか分からない地震よりも先に
熱中症で避難者が倒れてしまいますよね(^-^;
懸命な判断だったと思います。
海が近い市町村では
津波による浸水想定区域内にある役場の防災備品や公用車を高台へ移動させたり
高台の避難所を確認し雑草の除去を行うなどしています。
大阪などの大都市圏では
外国人旅行者への地震情報発信や発災時の避難について対応を急ぐなどしています。
海水浴場を抱える地域では
ライフセーバーによる避難誘導訓練や
聴覚に障害がある方への津波フラッグの使い方の再確認
海水浴場の臨時閉鎖などの対応をしています。
今回
南海トラフ地震臨時情報が出されたことにより
行政機関が自主性を持って
それぞれの地域で起こり得る被害を想像し
高い危機感を持って
様々な備えを迅速に行ったことは
非常に素晴らしいことだと思います。
市民が備えるべきもの
大規模災害に対して行政機関がさまざまな対策をとるようになった昨今
では
僕たち一般市民は何を備えれば良いのでしょうか。
災害ボランティア愛知人の三河支部長を務めさせていただいてる僕が
これまでの被災地支援活動の経験を経て
地震への備えでお伝えしておきたいのは次の2点です。
それは
水の確保
市役所が浄化槽はダメだ!
下水を引いて欲しいと言って来たから下水を家に引いたのに
下水を引いた俺の家は水が使えなくて
浄化槽のままの隣り近所は水が使えるんだから馬鹿らしい!
水の備蓄方法
トイレの確保
次に大切なのは何と言っても
トイレの確保です!!
しつこいですけど
地震が起こると「水」が使えなくなります。
水が使えなくなると
当然に水洗トイレは使えなくなります。
ここで勘違いしてはいけないのが
浴槽に貯めておいた水を使って
水洗トイレを使えると思っていたら
注意が必要です、、、。
地震は大地を破壊します。
先ほど水の確保でもお伝えしたとおり
上水道も下水道も破壊されます。
つまり
浴槽の水があっても
小便や大便は流すことができなくなるのです。
うんちを流そうとして
浴槽の水をバケツで汲んで
便器へ流し込むと、、、
マンションの場合
自室や階下の部屋に汚物汚水が流れ込むことになります。
戸建て住宅の場合
家の中に汚物汚水が流れ込む被害に遭います。
建ち残った大切な自宅に
汚物汚水を溢れさせないように注意してください!
僕が自宅用に備えているのが
「トイレの女神PREMIUM」
何と言っても15年の保存が効くことです。
一回買っておけば15年は安心していられるかなって思って買い置きしてあります(^-^)v
一般的に人の尿意と便意は3時間置きに訪れるそうです。
つまり一日8回トイレに行く可能性があるということです。
大規模地震から何日後に上下水道が復旧するかは
もはや専門家でも読むことはできません。
我が家は4人家族です。
ですが
大規模地震が発生したら僕は招集されるので
家族と一緒には居られません。
ですので
3人✖️8回で1日24回分の簡易トイレが必要となります。
トイレの女神は100回分を購入してあります。
100回➗24回で約4日分
4日分あれば何とか初動は乗り切れるかなって考えています。
あったら良いなってくらいですけど
簡易便座があっても良いですよね。
今の簡易便座は収納や台座としての機能もあるので
災害などの非常時だけではなくて
日常生活でも使えるような機能があるので良いですよね♪
とはいえ
能登半島地震の発生や今回の臨時情報を受けて
防災物品はどれも在庫が欠品していて発送までに時間がかかっています。
この先も何が起こるかわからないので
簡易トイレの準備はしておいた方が良いかと思います(^-^)b
備えられない現実
1月からずっと能登半島地震の被災地を見てきて
備えようにも備えられない現実があります。
それは住む家そのもののことです。
能登半島地震では古くからある木造家屋が軒並み潰れてしまいました。
潰れてしまった家と潰れなかった家との差は正直分かりません。
一つ言えるとするなら
近年建てられた家は決して潰れないということです。
古い木造家屋が全壊する環境においても
比較的若い家は建っているのです。
けれど
建物の中はぐちゃぐちゃです、、、。
建物は建っていても基礎から大地とずれて傾いている家もあります、、、。
ここで想像していただきたいのは
家が全壊してしまったら
地震に対する備えは意味がないということです。
いくら非常時の防災物品を備えていても
家が潰れたら取り出すことも使うこともできません。
僕たち災害ボランティア愛知人は
全壊した家屋から被災者さんが望む貴重品の取り出しを行なっています。
潰れてしまった家の中から貴重品を取り出すのですが
災害用に備えていたポータブル電源やソーラーパネルを取り出すケースも多くありました。
どれも潰れて使えていません。
また良く見かける非常用持ち出し袋。
これもまた一般の方には取り出せない状況下で残っていました。
取り出して被災者さんへお渡ししたところで
その頃には必要がなくごみとして捨てられるケースばかりです。
今一度
非常時に使う備蓄品や防災物品の保管場所を検討してみてください。
そして何よりも大きな問題は
築年数が長い家屋の耐震性です。
耐震性を上げるための工事の費用は膨大ですし
耐震工事をしたところで
実際のところ大地震に耐え得るのでしょうか。
また家を建て替えることなんてもっとできないことです。
耐震性のある新しい家で安心して暮らす。
これが答えなんですけど
これが最も現実的に不可能な問題なんですよね。
僕が最も大切だと思う備え
では
最後になりますが
僕が最も大切にしている備えがあります。
それは
今、この日常の中をいかに明るく楽しんで活きるかです。
家庭であれ
職場であれ
努めて明るく過ごす。
地震や風水害といった大規模な災害は
本当に身近なものとなっています。
どれほど物を備えても
きっと自然災害は僕たちの想像をはるかに超えてきます。
あっという間に命を奪われるかも知れない。
生き残っても絶望しかないのかも知れない。
けれど
日常を楽しんでいれば
いかなる困難が訪れても乗り越えられるんじゃないかと思っています。
そのために
僕たちに必要なことは
家族や友人知人、職場の仲間たちと仲良く過ごすこと。
認め合って
称えあって
愛し合って
今を楽しんで活きること。
きっとこれが一番の災害への備えだと
僕は真剣に思っています(^-^)b
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