「なんくるないさぁ〜」
沖縄の方言でよく聞く
この「なんくるないさ」
この言葉の意味は
「なんくるないさ」=「なんとかなるさ」
晴れ渡る青い空と眩いばかりの蒼く広い海
「なんとかなるさ!」
と沖縄の方々が発すると
すごくポジティブな気持ちになりますよね(^-^)v
「なんくるないさ」の意味と使われ方
と言うわけで
今日は「なんくるないさ」について、綴って行きます。
働き方の変化と沖縄移住
僕の友人の中には沖縄県出身の方が何人かいます。
ノマドワーカーと呼ばれる
「遊牧民のように場所を移動しながら働くスタイルをとる人」
の働き方が注目を浴び
コロナ禍を経て多くの業種で様々な働き方が生まれている昨今
パソコンとネット環境さえあれば
多くの職種で場所を選ばずに仕事ができるような社会になりました。
実際に都会を離れ
自然あふれる土地で心豊かに暮らしたいとする人が増えてきたことでしょう。
当然に沖縄への移住を決めた人も多く
沖縄県企画部統計課人口社会統計班さんが公式HPで出している
「沖縄県推計人口データ」を見てみると
過去10年間を見ても沖縄県は人口も世帯数も右肩上がりで増加しています。
やはり、沖縄は魅力ある県ですよね。
沖縄を去る沖縄県人の存在
- 自然豊かな土地に憧れて沖縄を目指す人
- 都会での生活に疲れて癒しを求めて沖縄を目指す人
様々な理由で沖縄を目指す人がいる一方で
沖縄を出て本土を目指す沖縄県人が多くいるのも事実
日本経済の根幹となる自動車産業が多く集まる愛知県
沖縄を離れ本土を目指す沖縄県人の中でも
愛知県を目指す方々は多いと聞きます。
かくゆう僕の友人も
大半は自動車関連の仕事に就くために愛知へ来ています。
沖縄県人会と言う集まりもあるようですね。
僕もコロナ禍前までは何回かお邪魔させてもらって
一緒に飲んだりカラオケしたりもしましたが
やはり沖縄の人のお酒の強さとノリの良さには敵いませんね笑
僕に刺さった友人の言葉
優しくて穏やかな雰囲気を持っている沖縄の友人は
普段からオラオラと前へ出てくるタイプの人ではなく
お酒の場でも酔って乱れる姿を見たことがありません。
いつも穏やかに笑って場の雰囲気とお酒を楽しむタイプの人で
周りから「盛り上げてよ!」って
オーダーを受けると
すっと立ち上がって沖縄の民謡や踊りを踊ってくれるような人です。
そんな友人からの言葉で驚いたことがあります。
それは
「沖縄は好きだけど、沖縄には帰りたくない」
と言う言葉でした。
沖縄には家族が居るし
海も山も空気も日差しも全てが大好きだと言う。
でも
帰りたくないと言う理由は
奇しくも「沖縄県人の怠惰な性格」だと言うのです。
沖縄の地元の友だちたちはヤンチャな性格の子が多く
30代になっても定職についていない子が多いそうです。
10代や20代前半に結婚をし家庭を築くけれど
ほとんどがすぐに離婚するそうです。
飽きやすい性格から定職に就かず遊んでばかりで
家族を重んじる民族性かと思いきや
皆あっけなく離婚していくと言う。
いつからか「なんくるないさ」と言う言葉が
沖縄の代表的な言葉の一つとして使われるようになり
当然に沖縄県人の中でも
「なんくるないさ」と言う言葉が定着してきたそうです。
僕の友人はこの「なんとかなるさ」と言う風潮が嫌いで
沖縄を出てきたそうです。
「なんくるないさ」の本当の意味と想い
「なんくるないさ」=「なんとかなるさ」
「何があっても何とかなる!」
僕も含めて多くの人が
そんな意味で使っているのではないでしょうか。
辛いこと
悲しいこと
何があっても起こっても
前向きに「なんとかなるさ!」
実際にこの言葉に勇気をもらい
苦難を乗り越えられた経験を持つ方も多いと思います。
ただ僕の友人は
この「なんくるないさ」から切り取られてしまった部分を
悲しんでいたのでした。
切り取られた部分と友人の想い
「なんくるないさ」と言う方言は
正確には
「まくとぅそーけー、なんくるないさ」
と言う定型句の一部分だそうです。
「まくとぅそーけー、なんくるないさ」
「人として正しい行いをしていれば、何とかなるさ」
友人が大切にしている部分を聴き
鳥肌が立ちました。
「何もしなくても何とかなる、どうにかなる。」
といった楽観的な考えではなく
「やれることはやったのだから大丈夫」
という心構えだったのです。
友人はオジーやオバーから聴かされてきた
この「まくとぅそーけー」が
切り取られてしまっている風潮が悲しいと話してくれました。
オジーオバーたちが生き抜いてきた時代は
大変なものであったでしょう。
日々の暮らしの中では不条理、理不尽なことが当たり前に広がっていたけれど
それでも皆は笑顔で正しい行いを続けて頑張り続けてきた。
人として正しい行いを続けて来たのだから
なんとかなるさ。
一日の終わりに
月の終わりに
節目の度に
「まくとぅそーけー、なんくるないさ」と。
戦争や貧困を知らずに育った僕ですが
友人からの言葉に
ふとかつての沖縄の情景が想い浮かび胸が熱くなりました。
「なんくるないさ」を大切に使いたい
- 何もせず遊んでばかりな風潮
- すぐに飽きて継続する努力を怠る県民性
- 自然を売り物にして金儲けのために沖縄を汚すこと
など
友人が悲観する沖縄の現状が全て正しい情報だとは
僕は思っていません。
普段から優しく穏やかな友人が伝えてくれる現状なので
事実の一つでしょうが
それが沖縄の全てではないので。
沖縄県人の中にも沖縄を心から愛し
沖縄の自然を守ろうと必死に頑張ってくださっている方々も多くいる。
僕が大切にしたいのは
「まくとぅそーけー」の部分を切り取らず
きちんと繋げて使って行きたいと言うことです。
何もしないでも「なんとかなる」
という楽観的な考え方だけでは
物事はうまく行かないと思います。
失敗や挫折
辛いこと悲しいことは否が応でも降り掛かってきます。
そんな中でも
何事においても日々懸命に取り組んでおけば
降り掛かる回数や重さも減らせると思う。
オジーやオバーが繋いできた言葉を
僕は大切にしたい。
コメント